エンジンの換装は大正解。気持ちの良い加速が船好きにはたまらない。

お客様のボート歴・プロフィール

愛艇のPC-36に20年乗っている大濱正歴(ただかず・70歳)さんは、ボート歴30年のベテランキャプテン。
底物からトローリング、さらにロングクルージングとおよそプレジャーボートでの遊びは一通り経験してきた。
その大濱さんがボートライフを始めるきっかけになったのが、広島からトカラ列島へのロングクルージングだった。

「知り合いに奄美に行かないかと誘われてね。
海やボートのことは全然分からなかったけど、自分も若かったし、ボートのロングクルージングがとっても魅力的に思えてね。
行くって返事をしたんだ。それがボート遊びの始まりだと思うよ」

1週間のボートクルーズはそれまで大濱さんの人生の中でも経験したことのない濃密な時間となり、あっという間に海の仲間になった。

「最初に買ったのは17フィートのボート。
モルジブに行った時に乗ったセンターコンソーラーのオープンボートが忘れられなくて。
買うならこのタイプと決めていて。
それからFR-25、そして今のPC-36と乗り継いできました」

PC-36を購入したのは今から20年前。
当時は大濱さんの地元である広島でもカジキ熱が高まり、黒潮を求めるスタイルになってからはPC-36を相棒としてマリンシーズンを過ごしてきた。

この間搭載してきたヤマハのエンジンは20年間、大きいトラブルもなくマリンライフを支えてきた。
今ではロングクルージングこそ控えているが、週末の別荘生活を楽しむための【足】代わりとして、天気が良い週末はほとんど乗っている。

エンジン換装した理由について

「エンジンだから、いろいろメンテナンスしても限界があるし、逆に20年間よく持ったと労ってやりたい。
奄美や伊豆の大島、それにJIBTや勝浦、土佐のビルフィッシュ。
よく走ったし、ボートとの相性が良かったのだろうね。
ここまで来るまでにボートの代替えの話もあったけど、船体は快調だし愛着もあるしね。
そこでエンジン換装を決めたんだけど、ヤマハでも同じ型のエンジンがなかったので、ひとまずボートに合うタイプのエンジンを検討したんです」
20年の愛着が積み込まれたボートを使い続けるためにもエンジン換装を決めた大濱さんだったが、さまざまなメーカーのエンジンを検討しているところで、セールスマンから同じPC-36でボルボのエンジンを搭載しているフネが関東にあることを聞き、実際に試乗をしたという。
「ボートの型こそ前期、後期と違いはあったのですが、ボルボにも興味がありましたので、実際に乗って確かめました。
いや、よかったですよ。
良いところ、良くないところ、いろいろな話を聞いていたので、半信半疑で乗ったのですが、実に軽快に走る。
エンジンもコンパクトですし、音も振動も少なく、試乗して確認して、20年分の進化が感じられましたね」
と、大濱さんご自身、試乗後はボルボエンジンについての手応えを感じた。

既存の部品を残しつつエンジン換装を行う

SX-629KMからD6-435へ。
エンジン換装を決断した大濱さんだが、すべてを交換するのではなく、現状の変更を最小限に留める方法を採用した。

「大濱さんと相談して使える部品は残して換装することにしました。
幸いにプロペラシャフト、ブラケット、スターンチューブのセットは、ベアリング交換だけで使用することができましたので、エンジン側のセッティングで換装することができました」(デルタマリン・大島さん)
機関台の改造を行ったため換装作業には約1ヶ月を要したが、従来よりもエンジンルームのスペースに余裕ができ、見た目にもスッキリとしたと言う。

リパワリングされたPC-36

「まず最初に感じたのは、ハンプの時間が短くなったことですね。
以前のエンジンが「よっこいしょ」なら、「よっ」ぐらいのタイミングでプレーニングに入れる。
出だしのストレスが無くなりましたし、走りは軽快そのものです。
それと燃料が減らなくなりました。以前は満タン(300L)で、マリーナから目的地の倉橋島まで、20マイル強の距離を3往復して給油していたのですが、エンジンを換装してから4から4.5往復に伸びました。
これには正直驚きましたね。
スピードも巡航の20ノット弱で、特に燃費に気を遣って走っているわけではないので、本当にムダの無い走りにつながっているのだと思いました。
もちろん条件が揃えば30ノット近くを出すことができるので、トータルの性能でも申し分ないですよ」

内装のリニューアルと甑島へのクルージング

エンジン換装を終えた大濱さんが次に手を入れようとしているのは、キャビンを中心とした内装だ。
現在はシートなどを仮置きしているが、来春を目処に内装を張り替えて、ロングクルージングに備えている。
「エンジンも換装したので、来年は甑島へのロングクルージングを考えています。
クルージングも楽しみですが、向こうでバショウカジキを釣りたいんですよね。
カジキの中でもバショウだけは釣ったことがないので、できれば1本は揚げたいんですがね」
これまでも奄美や伊豆の大島などロングクルージングを楽しんでいた大濱さんは、新しいエンジンを手に入れたことで、久しぶりの航海に気持ちを昂ぶらせている。
「昔はロングと言えば当時の私みたいな若手が乗り組んでくれましたが、今はそんな若者は希ですから自分で完結できるように計画を立てている所ですよ」
新たなパートナーであるD6を手に入れた大濱さんのボートライフは、充実の一途を辿っていた。

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