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F.A.S.T.26 S/D HP FSR 実力検証

ハイパワーをたたき出すVOLVO D3エンジン&ドライブ

ハイパワーをたたき出す
VOLVO D3エンジン&ドライブ

進水して未だ1ヶ月程度であり、エンジン・ドライブも慣らし運転状態で、エンジンルームのハッチを開くと真新しいVOLVOのロゴが誇らしげに輝いている。
エンジンを始動しすると、VOLVO D3エンジンが心地よいエンジン音を響かせてくれる。
走行性や凌波性など早速テスト走行を開始することにする。

加速感にビックリ

加速感にビックリ

静止状態から「ハンプ超え」までのタイム計測を行うと、「約4.5秒」で完全にハンプを超える状態まで持っていくVOLVOエンジンのパワー・トルクには脱帽。
また、ニュートラルから前進に入れる際のシフトショックも殆ど気にならない程度のもので、コーンクラッチを採用している艇にありがちなシフトチェンジ時の違和感もさほど感じなかった。
カメラ艇の引き波を連続して超える走行ではF.A.S.T.26独特の船首フレア形状が上手く波をさばき、釣り機能を重視するために低く抑えた乾舷のアフトデッキでも非常にドライ状態が保たれている。
波超えの衝撃も艇全体がビビる様な振動もなく、良好な凌波性はF.A.S.T.26の系譜そのものである。

F.A.S.T.26ならではの凌波性能

F.A.S.T.26ならではの凌波性能

静穏状況の海面走行時に前方から見ると、ヤマハYF23に代表されるウェイブ・スラスター・ブレードとF.A.S.T.26 独特のフレアーバウ形状の特徴が見てとれる。
取材日は、納艇間もない事もあり、艤装途中の状態での撮影であったが、釣り道具などは全て以前の艇から積み替えられていた。
そのため、艇の重量は軽荷状態からは150Kg以上も増えている状態であるにも関わらず、重量を感じさせない非常にキビキビした動きを見せてくれた。

荷物を積んだ状態での最高速力は30.1Ktを計測

この日の最高速力は「30.1Kt」(GPS実測値)を計測(重荷状態・乗員3名)。回転数は4000RPMで35L/hの燃料消費量(下記メーター参照)、巡航状態では25Kt時に25L/hの平均値を示しており、25Ktの巡航状態で燃料タンク満タン(160L)で160マイルも走行できる計算となる。瀬戸内でポイントを移動しながらの釣行や島巡りなどのロングクルージングにも十分に適応できる。

販売を担当された広島のフロリダマリンさんが、荷物を積み替える前に計測した時は最高速は力32Ktを記録し、燃費も23Ktで20L/h程度であったそうで、このクラスのフィッシングボートとしての走行機能としては申し分の無い数字であろう。
高速走行時のエンジン静粛性も非常に静かであり、スターンデッキ上でも通常の声の大きさで会話ができ、30Ktを超えているとは思えない快適さである。
また、高速走行時のハンドル操作も素直な操船性と言うか、癖も無く若干物足りなさを感じるほどである。

荷物を積んだ状態での最高速力は30.1Ktを計測

フィッシングサポートリモコンも初テスト

フィッシングサポートリモコンも初テスト

この日は、艤装が終わったばかりのスパンカーとフィッシングサポートリモコンの初テストも行った。
風速8メートルの中、殆ど同じ位置をキープする様子にオーナー様も大感激。
風立ち性能は従来のF.A.S.T.26SDと差異は無いが、フィッシングサポートリモコンで微速前進に入る際のクラッチ異音も無く、スムーズな前進とニュートラルの切り替えができている。
オーナー様はバウ・スターン共にウィンチを装着するなど、電気使用も大きいが、発電容量が従来艇と比較し大幅に向上しているため、こちらも心配はなさそうだ。

オーナー様は以前の艇(他社26フィート)がキャビンの大きな船であったため代替の際に荷物が積み替えられるか心配されたが、全ての荷物が搭載できて驚かれた様子で、ここでもF.A.S.T.26のポテンシャルの高さがうかがわれる。
今回のテスト走行の感想としては、艇とエンジンのマッチング状態も非常に良く、加速性・最高速力・燃費なども申し分ない数値であり、長時間・長距離の釣行にはピッタリの艇である。コモンレール採用のVOLVOエンジンの底力を十分に実感できるテスト走行となった。
また、何と言ってもアイドリング状態での排気臭が全くと言うほど無く、ディーゼルエンジン独特の加速時の排気黒煙も全くと言って良いほど見られず、「クリーン」「静か」というキャッチフレーズに偽り無し、という印象である。

瀬戸内のフィッシングシーンを熱くするF.A.S.T.26 S/D HPから目が離せない。

※本文中の速力・燃費については、実測値であり、海象/風等によって異なる場合があります。

広島市在住 川見様

ボート暦はかれこれ20年ほどになります。最初は和船タイプの25フィートで、この艇で3代目となります。
柱島近辺でメバル・鯛狙いの釣りが中心ですが、今まではアンカーを打っての掛かり釣りでしたが、この艇には今日初めてテストしてみたフィッシングサポートリモコンが付いているので、流し釣りにチャレンジしてみようと思っています。
仲間を連れていくとポイントを選んだりで面倒な事が多いので一人で釣りに出掛ける事が多いのですが、アンカーを打たなくても同じポイントに居られるのならすごく楽ですよね。
エンジンも静かで波きりも良く、スピードも申し分ないので、今年はこれで大物を狙いますよ!


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