今年で第61回目を迎える国内最大級のマリンイベント「ジャパンインターナショナルボートショー2022」が、昨年に引き続き「海・ここが夢の入口」をテーマに開催された。
今年は2つのリアル会場(パシフィコ横浜&横浜ベイサイドマリーナ:3/31(木)~4/3(日))に、スマートフォンからいつでもボートショーを楽しめるオンライン会場(3/18(金)~8/31(水))も加わり、3会場でのハイブリッド・ボートショーとなった。

第1会場 パシフィコ横浜

開会式に先立ち11時から開催されたヤマハ発動機の「プレスブリーフィング」には、多くのメディア関係者が集まり、マリン業界のリーディングカンパニーであるヤマハの動向に熱い視線が注がれた。

ヤマハ発動機(株)マリン事業本部長が登壇し「海、とびきりの週末」をコンセプトとした出展内容やマリン事業の概況、中期経営計画、そしてヤマハの成長戦略である「マリン版CASE戦略」についての説明が続いた。「CASE」とは「Connected」「Autonomous」「Shared」「Electric」の頭文字を取った言葉である。

今年のヤマハは「マリン版CASE戦略」を成長戦略として掲げているように、従来の「モノ」訴求から「つながり」や「共有」「環境」など、さらに「コト」訴求へと重点を移しているのが特徴だ。

11時45分からは、メインステージにて2022年度の開会セレモニーが執り行われた。日本マリン事業協会会長の柳氏、国土交通審議官の藤井氏の挨拶に続き、テープカットセレモニーが行われ、3年ぶりのパシフィコ横浜でジャパンインターナショナルボートショー2022が開幕した。

続いて、ベストファミリーボートオーナー賞の表彰式が行われ、俳優の杉浦太陽さんが受賞した。受賞の挨拶では、ボートオーナーになったことで、家族が喜んでくれていること、オーナー同士の繋がりができて世界が変わったことなど、ボートオーナーになって良かった点を述べ、受賞の挨拶を締め括った。

注目のヤマハブースは、300馬力2基掛けによる抜群の加速性とひときわ目立つ斬新なシルエットが特徴のクルージングボート「SR330(コンセプトモデル)」をはじめ「SR320FB(コンセプトモデル)」、ボートオブザイヤーBEST VALUE部門賞受賞モデル「AX220」、今年2月にリリースされボートショー初お披露目のスポーツボート「252XE」の他、根強い人気を誇るフィッシングボート「YFR-27HMEX」や、あらゆるフィッシングシーンに適応する「F.A.S.T.23」などが並ぶ圧巻のラインナップ。さらに今年春に環境意識の高い欧州で販売される電動モーターを動力とする次世代操船システム「HARMO(ハルモ)」の搭載展示など、今年のヤマハブースは、業界トップシェアメーカーとしての環境への取り組みもうかがい知れる充実した内容となっていた。

ヤマハブースのメインスクリーン前では「Sea-Style」「免許」の入会や、ヤマハのラグジュアリーボートと海を知り尽くしたキャプテンのエスコートで贅沢な時間を過ごすことができるチャータープレミアムの受付カウンターが賑わいを見せていた。「モノ消費」から「コト消費」という時代を反映してか、「他では味わえない体験」に興味を示す来場者がスタッフの話に聞き入っていた。

これまで多くのファンに親しまれてきた「マリンジェット」という呼称は2022年モデルから「ウェーブランナー」と改められ、新たなスタートをきった。海外ですでに展開されている「WAVERUNNER(ウェーブランナー)」という呼称を国内でも統一した形だ。

ジェットビレッジの出展モデルは、フラッグシップモデルの「FX Limited SVHO」とボートオブザイヤーPWC部門賞を受賞した「SuperJet」の2モデル。ウェーブランナーとしてはボートショー初のお披露目となるラインナップに、来場者は足を止めて熱心に見入っていた。

スポーツボートは昨年から1モデル増えて4モデルというラインナップ。出展モデルはウェイクサーフィンが存分に楽しめる機能を装備した「255XD」。近年のウェイクサーフィン人気の高まりもあり、その充実した機能は来場者の注目を集めていた。

今年も高級輸入車の展示は健在。例年各社のニューボートに負けない人気のコーナーで、その顔ぶれはマクラーレン、ベントレー、ランボルギーニ、アストンマーティン、ポルシェ、マセラッティ、ロールスロイス、フェラーリといった誰もが憧れる世界の名だたる高級輸入車が集結し、圧倒的な存在感で3年ぶりにパシフィコ横浜に帰ってきたボートショーに華を添えていた。

新艇だけではなく、現品限りの優良な中古艇にお目にかかれるのもボートショーの醍醐味の1つ。毎年人気の中古艇フェアコーナーでは「ここにしかない1艇」が展示され、来場者が熱心にスタッフの話に聞きいる姿が見られた。今年のハイシーズンにお気に入りの愛艇でマリンプレイを満喫したい方は是非立ち寄っていただきたいコーナーだ。

各社のニューボートに引けを取らない程注目を浴びていたのはマリンの用品やアパレル、グッズのバーゲンコーナーだ。近年高まりを見せているアウトドアでのレジャー人気はマリン業界でも例外ではない。間もなくスタートするハイシーズンに向けて各社力を入れた品揃えで、今年の強い意気込みが感じられるコーナーとなっていた。

第2会場 横浜ベイサイドマリーナ

「ジャパンインターナショナルボートショー2022」第2会場の横浜ベイサイドマリーナでは、今年も大型ボート、セイリングクルーザー(ヨット)などを中心に約60隻を係留展示。展示艇には一部を除いて実際に乗り込むことが可能で、ラグジュアリーなインテリアやフライングブリッジなど、大型ボートの魅力を体感することができる。

ヤマハのフローティング展示エリアでは3つのキャビンと広々としたラウンジ、解放感溢れるフライブリッジが特徴の「Prestige520」「Prestige460」の2モデルを係留展示。優雅でゴージャスなマリンライフを演出するフランス製の大型クルーザーには、多くの来場者が乗り込んで、その贅沢な空間に感嘆の声をあげていた。

隣接するヤマハマリンセンター横浜は、2月に建物の外装カラーをブルーとホワイトを基調とした落ち着いた雰囲気にリニューアル。

その屋外展示エリアでは、激しいアクションにも耐えられるスペースを設けた「DFR-33」、アングラーの視点から考えぬかれた機能を誇る「YFR-24EX」の他、ワンランク上のゆとりを実現しながらも扱いやすいサイズの「AX220」等、定番人気の中小型モデルが所狭しと並んでいた。

出展ブースの他にも様々な体験プログラムに参加できるのもマリーナ会場ならでは。

ボート免許がなくても操船体験ができる「船長にチャレンジ」や、セーリングクルーザーでの体験航行、免許保有者対象の航海講座、現地で先着受付のみのお子様を対象とした「キャプテンKids」などなど、ビギナーからベテランまでレベルに合わせて楽しめるプログラムも多数用意されているので、興味のある方は是非参加していただきたい。(各プログラムとも事前予約制)

ページ
先頭へ